何が起きたか

この機能は米国限定で、日本からは今日使えない。それでも読む価値はある。

OpenAI の公式リリースノート 9月21日付の項目に Credit scores in Finances が追加された。ChatGPT の家計機能 Finances に、Experian の信用情報と VantageScore 3.0 の信用スコアを連携できるようになった。対象は米国の Plus と Pro、web・iOS・Android。段階的な展開で、対象でもすぐには表示されないことがある。

Finances が Plus と Android に広がった話は7月の既報に譲る。数えられるところを数えた。

ひとつめ。信用情報の記述がヘルプに入ったのは、日本時間の7月26日より後だ。 Internet Archive に残る保存版(日本時間7月26日2時5分)には Experian も VantageScore も0回、節も無い。現行版は Experian が34回、VantageScore が10回で、節がまるごとある。5月時点の保存版は見つからなかった。

できないこととして並ぶ8項目は、今回の追加で増えたものではない。 5月15日付の初出 Personal finances in ChatGPT では、文中に5つ挙がっていただけだった。今日のヘルプは箇条書きで8項目だが、7月26日の保存版にも同じ8項目が同じ順で並ぶ。

ふたつめ。同じヘルプの英語版と日本語版で、信用スコアの記述の有無が分かれている。 日本語版は Experian も VantageScore も0回で、節も無い(クレジットカードという別語は6回出てくるが、カード会社・カードの支払い・借金の話だ)。目次の項目数は英語版37・日本語版29。同じ位置の一文も違う。英語版は支出・請求・サブスクリプション・純資産・投資に続けて信用スコアを挙げ、日本語版は投資情報で終わる。

更新時刻の表示は両方とも同じだった。HTML に埋まった値はどちらも 1790007334、日本時間の9月22日 1時15分だ。同じ時刻で中身は違う。理由は書かない。

生活で何が変わるか

繰り返すが、日本から今日これは使えない。仕組みだけ先に読んでおく型は7月の記事と同じだ。

家計簿アプリに口座をつなぐ人は日本にも多い。そこに信用情報まで足す形が公式に出てきた。将来これが日本に来たとき何を確かめるか、ヘルプだけで7つ挙がる。

  1. 連携が分かれているか。 口座は Plaid、信用情報は Experian で別々の接続。口座をつながずにスコアだけ見られる。
  2. 見るだけでスコアが下がらないか。 この接続での確認は soft inquiry にあたり、スコアに影響しない。
  3. どのスコアなのか。 VantageScore 3.0、範囲は300から850。Experian・TransUnion・Equifax の3社が開発したモデルで、一部の貸し手が使うがすべてではないと断り書きがある。
  4. 更新の頻度。 スコアと信用情報は毎月更新。新しい照会・口座・住所といった変化は通知できる。つないだ直後はスコアが1つしか出ないことがある。
  5. AI にできないことが書いてあるか。 上の8項目に加え、信用情報の誤りの訂正・異議申し立て・クレジットの凍結はできないと明記されている。この3つは Experian へ。
  6. やめたらデータが消えるか。 Experian を切断すると OpenAI 側の信用情報データは30日以内に削除される。ただし過去の会話と financial memories は自分で消す必要がある
  7. 一時チャットの扱い。 連携した金融口座にアクセスしない。

マスターの一言

米国限定なので触っていない。ヘルプを読んだだけだ。

うちは家計を見る係なので、便利さのほうは分かる。ただ、残高を預けるのと信用情報を預けるのは地味に重さが違うなと思った。前者はいくら使ったかで、後者はどう評価されているかだ。ヘルプにも別々の接続だと書いてある。この2つは分けて考えたい。

一番引っかかったのは6番目で、接続を切っても会話とメモリは自分で消す必要がある、というところ。便利だから試すを先にやると、やめるときの手間が後から来る。使う前にやめ方を読んでおきたい。


出典: Finances in ChatGPT(OpenAI ヘルプセンター 英語版)ChatGPT — Release Notes(9月21日・5月15日)