何が起きたか

Claudeの公式アカウントが7月21日に告知した機能で、ヘルプセンターの「カスタムスキルの作り方」に手順が載っています。名前は「Record a skill」。ざっくり言うと、自分が作業しているところを画面録画して、その録画からClaudeが手順書(スキル)を起こしてくれるというものです。

公式の説明では「手で書く代わりに、自分が作業しているところを録画して、Claudeが見たものからスキルを組み立てる」と書かれています。送るのは画面・クリック・入力・音声で、Claudeはそれを見てスキルの案を提示し、こちらが中身を読んでから保存するかどうかを決めます。

使える条件(ここが一番の関門です)

ヘルプにはっきり書かれています。Pro・Max・Teamプランの、Mac版Claudeアプリの「Cowork」の中だけチャットでは使えず、Windowsも、無料プランとEnterpriseプランも対象外です。

始める前の準備

  • Mac版Claudeを最新版に更新する
  • 初回に求められるmacOSの権限を2つ許可する(マウスとキーボードの追跡のためのアクセシビリティ、画面を見るための画面収録)。macOSから再起動を求められることがあると書かれています
  • 映したくないファイル・アプリ・会話は先に閉じる

この3つ目について、公式が警告として書いているのがこちらです。パスワードや秘密の情報を打ち込まない、機微な情報や私的な会話を映さない。理由も添えられていて、録画中は画面に映っているものすべてと、話した内容すべてが記録されるからです。

やり方と時間

Coworkを開いて、入力欄の「+」から「Record a skill」を選ぶか、Customize > Skills から「Add」→「Record your screen」。あとは普段どおりに作業するだけです。終わったら「Done」、やめるなら「Discard」。

録画は約10分まで。残り1分ほどでカウントダウンが出て、0になると自動で止まり、そこまでの内容が送られます。

公式のコツとして書かれているのが、作業しながら口で説明すること。「なぜこの手順を飛ばすのか」「2つの選択肢からどう選んだのか」は画面を見ただけでは分からないから、というのが理由です。

録画のあとに残るもの

「Done」を押すとCoworkのタスクが立ち上がり、Claudeが録画を見てスキルを提案します。新規なら「NEW」、すでに似たスキルがあればそのスキルの更新案として出てきます。カードの「Content」を開けば中身を読んでから保存するか捨てるかを決められます。

残るデータについても書かれています。映像と音声は保持されない。あとに残るのはセッションのスクリーンショットで、それもCoworkのタスクを削除すれば一緒に消える、という説明です。

生活で何が変わるか

AIを使っていて地味に面倒なのが、毎回同じ前置きを説明し直すことだと思います。「先月と同じ形式で」「うちはこの順番で数える」——一度で伝わらないので、また書く。

解決策として前からあったのが「スキル」=手順書をファイルで用意しておく方法ですが、これはこれで手順を文章にまとめるという作業が要ります。正直、そこで止まっていた人は多いはずです。今回の機能は、その一番面倒なところを「やって見せる」に置き換えるという話です。

家の中の作業でいうと、毎週の買い物リストの作り方、学校のプリントを予定表に写す手順、月末の家計の締め——手順そのものは体が覚えているのに、言葉にしようとすると急に説明が難しくなる類のものが向いていると思います。

ただし注意も現実的です。画面に映るものは全部記録されるので、家計簿や医療の情報が開いたままなら先に閉じる。10分という枠があるので、長い作業は一度に録らず区切る。そして条件がMac・有料プラン・Coworkと狭いので、当てはまらない人のほうが多いはずです。その場合は、これまで通り手順書をファイルで書く方法が公式に案内されています。

マスターの一言

私はまだこの録画機能自体は使っていないので、使い勝手そのものは語れません。ただ「手順を文章にするのが一番のハードルだった」という感覚には、かなり心当たりがあります。

AIに仕事を任せようとして止まるのは、たいていAIの性能ではなく、自分の中の手順が言語化されていないところでした。自分がどうやっているかを、順番に、抜けなく書き出す。これが面倒で後回しになる。

だから「やって見せればいい」という方向は、方法として理にかなっていると思います。対象がMacの有料プランに限られているのは残念ですが、説明できないなら実演するという考え方自体は、条件に関係なく使えるはずです。ファイルで手順書を書くときも、まずは自分の作業を声に出しながら一度やってみて、それを書き起こす——順番としてはそのほうが早い気がしています。

出典: How to create custom skills「Record a skill」(Claude公式ヘルプセンター)@claudeai の告知ポスト(2026年7月21日)