何が起きたか

Googleが8月27日、Expert Intelligence という取り組みを公式ブログで発表した。Google Play Books で買った電子書籍を、そのまま Gemini Notebook の資料として読み込ませられるようにする、というものだ。

Gemini Notebook は自分の資料を入れて要約や音声解説を作らせるツールだ。これまで入れられたのは PDF や Google ドキュメント、YouTube の動画などで、そこに買った本が加わる。

ブログの説明はこうだ。開始時点で 10万冊を超える電子書籍が対象で、出版社には Penguin Random House や O'Reilly Media などが並ぶ。本を入れたあとは、その本に基づいた答えをもらったり、インフォグラフィックやクイズを作らせたりできる。条件として、その本を Play Books で持っている必要があり、ノートブックを共有しても相手は自分で買わないと本の中身は使えない。

ブログの例のひとつが、冷蔵庫の中身を写真に撮り、Michael Pollan の Food Rules をもとに献立を考えてもらう、という使い方だ。

ブログに書かれていない条件が、ヘルプにある

ここからは、ブログと Google Play のヘルプGemini Notebook のヘルプを突き合わせて出てきた差分だ。4つあった。

1つめ。対象は英語の本だけ。 ヘルプには、Gemini Notebook に追加できるのは Play Books の英語の電子書籍だと書かれている。ブログ本文に English や language という語は1度も出てこない(画面下の言語切り替えを除き0件だった)。日本語の本を入れて使う、という話は今のところ成り立たない。

2つめ。対象外になる理由は3つある。 ヘルプによると、出版社がこの機能を有効にしていない場合、本の言語による場合、本のフォーマットによる場合がある。有効な本の数は時間とともに変わるとも書かれている。10万冊は今日の数であって固定ではない。

3つめ。自分でアップロードした本は使えない。 Play Books には手元のファイルを自分の本棚に入れる機能があるが、ヘルプには、自分でアップロードした本は Play Books のソースとしては使えないと書かれている。

4つめ。今のところテキストだけ。 Gemini Notebook 側のヘルプには、Play Books のソースは現時点でテキストのみ対応と書かれている。図版や写真の多い本を入れても、絵の部分は読まれないことになる。

なお、自分の本が対象かどうかは、スマホでは表紙を長押し、ウェブ版ではライブラリのメニューからこの本について、を開き、Gemini Notebook で使うというボタンが出るかで分かる。

生活で何が変わるか

日本にいる人には、今日から効く話と、まだ効かない話がはっきり分かれる。

まだ効かないのは、日本語の本を入れる使い方だ。 対象が英語の本に限られている以上、日本語で買った実用書や参考書は今のところ入らない。自分が持っている日本語の本では、ブログの献立の例と同じことはできない。

今日から効くのは、洋書を持っている人だ。 O'Reilly の技術書や、育児・料理の洋書を Play Books で買っているなら、それをノートブックに入れられる。ヘルプには Gemini Notebook が多くの言語でやりとりできると書かれており、英語の本に日本語で聞く形も期待できるが、こちらでは確かめていない。分厚い洋書を通しで読まずに、必要なところだけ引く使い方には向くはずだ。

マスターの一言

発表だけ読んだ時点では、手持ちの本が使えるのかと思った。ヘルプまで見て印象が変わった。ブログ側に言語の話が無いので、そこだけ読むと勘違いする。

試すなら、新しく買う前に自分のライブラリで対象の本があるか確かめるのが先だと思う。ブログにある無料の1冊は米国の人向けで、在庫がある間だけと書かれている。買ってから使えなかった、が一番もったいない。