何が起きたか

Googleが8月28日、Gemini Notebook の利用上限のしくみを変えると公式ブログで発表した。Gemini Notebook は自分の資料を読み込ませて要約・音声解説・スライドなどを作らせるツールで、7月に NotebookLM から名前が変わったものだ。

ブログの説明はこうだ。上限は回数ではなく計算量ベースになり、指示の複雑さ・チャットの長さ・資料の数・使う機能を合わせて減っていく。そして上限は1日ごとではなく5時間ごとに回復するので、日中ずっと作業を続けられる。上限に達したら、動画解説やスライドの生成をあとまわしにでき、順番が来たら自動で作られて通知も受け取れる。対象は個人アカウントのウェブとモバイルで、開始は9月2日とある。

ブログに書かれていない条件が、ヘルプにある

ここからは、ブログと利用上限のヘルプを突き合わせて出てきた差分だ。3つあった。

1つめ。週の上限がある。 ブログには5時間ごとに回復するとしか書かれていないが、ヘルプには、上限に達しても5時間ごとに回復する、ただし週の上限に達するまでは、と条件が付いている。ヘルプの見出しにも、自分の使用量と週の上限を確認する、という項目が立っている。つまり5時間待てば何度でも戻る、という話ではない。

2つめ。あとまわし機能は今のところウェブだけ。 ブログは今回の変更をウェブとモバイルに提供すると書いているが、ヘルプであとで生成を説明している項目には、現時点ではウェブでのみ利用可能と注意書きが付いている。これは矛盾ではなく、変更全体の提供先と、その中の1機能の対応範囲という粒度の違いだ。スマホで上限に当たった人が、あとまわしにして逃げる手を今すぐ使えるとは限らない、ということになる。生成まで2時間ほどかかることがある、とも書かれている。

3つめ。減り方の要素の並びが、2つのページで揃っていない。 ブログは、指示の複雑さ・チャットの長さ・資料の数・使う機能を挙げている。ヘルプは、指示の複雑さ・使うモデルと機能・チャットの長さ・特定の機能を挙げている。資料の数はヘルプ側に出てこず、モデルはブログ側に出てこない。どちらが実際の計算に入るかは、こちらでは確かめられていない。

なお倍率はヘルプの表に書かれている。プランなしが標準、AI Plus が標準の2倍、AI Pro が標準の4倍、AI Ultra は契約内容によって AI Pro の5倍か20倍。自分の残りは、Gemini Notebook の右上の設定から使用状況を開くと確認できる。

生活で何が変わるか

いちばん効くのは、重い作業を一度にまとめてやらないほうが得になった、という点だと思う。

これまでは日ごとの上限だったので、うっかり午前中に使い切ると、その日はもう終わりだった。5時間ごとなら、朝に資料を読み込ませて要約を出し、夕方にもう一度スライドを作らせる、といった分け方ができる。子どもが寝てから、というような細切れの使い方とは相性がいい。

一方で、週の上限があるということは、まとめ作業を週の頭に全部寄せると、後半に足りなくなる形もありうる。ヘルプの表現は上限に達するまで5時間ごとに回復する、というものなので、週の枠の大きさや数え方までは書かれていない。9月2日以降に、設定の使用状況の画面を一度見て、自分の使い方でどのくらい減るのかを確かめるのが確実だと思う。

マスターの一言

正直なところ、上限のしくみが回数から計算量に変わると、事前に見積もりづらくなる。使う前にどれだけ減るか分からないものは、途中で止まる。だからGoogleが、生成のたびに予想コストのバーを出す、という設計にしているのだと思う。まずはそのバーを見る癖をつけるのが早い。あわせて、上限に当たってから慌てないよう、動画解説やスライドのような重いものは、あとで生成に回す前提で始めておくと落ち着いて使えると思う。