何が起きたか

Googleが7月31日、社内のクリエイティブ・テクノロジストであるRaph氏が自作したアプリ「Glanceboard」を公式ブログで紹介しました。あわせてコードがGitHubで公開されています。

やっていることは単純です。毎朝、家族のGoogleカレンダーとその土地の天気を読む。そのうえで、その日の天気に合った服装をした子どもたちのイラストをNano Bananaに描かせ、電子ペーパー(e-ink)の額縁に表示する。家族はそれを見て、今日の予定・着るもの・持っていく物がわかる、という仕組みです。

公式ブログによると、動作するのは自分のPC(またはRaspberry Pi)上で動く軽量なローカルサーバー。明るい画面も通知も出さない形にした、と説明されています。GitHubのREADMEには、数時間おきに「カレンダー(iCal)を読む → 天気を取得 → プロンプトを組む → Nano Bananaで画像を生成 → 6色の電子ペーパー用に変換して配信」という流れだと書かれています。表示側がサーバーを見に行く方式なので、クラウドのアカウントは要らないとのことです。

使われているモデルはGemini 3.6 FlashとNano Banana。READMEには、これ自体がGoogle Antigravityでいわゆる「バイブコーディング」して作られたものだと明記されています。

生活で何が変わるか

うちの朝も、だいたい同じところで詰まります。今日は体操服がいるのか、水筒はいるのか、傘は持たせるのか。予定はスマホの中にあるのに、スマホを開くと予定以外のものも目に入る

「情報は家族全員に見える場所へ、絵にして置いておく」という発想は、素直にうまいと思いました。冷蔵庫に紙のカレンダーを貼るのに近いのに、中身が毎朝、天気に合わせて入れ替わる。しかも描かれているのが自分の子どもなので、子ども自身が見に行く。ここは紙にはできない部分です。

ただ、思いついてすぐ真似できる類ではありません。READMEを読むと、7.3インチのカラー電子ペーパー(Waveshare ESP32-S3 PhotoPainter)などのハードを買う必要があり、サーバー用にPCかRaspberry Pi、Python 3.9以上とNode.js 18以上、それにGoogle AI StudioのGemini APIキーが要ります。はんだ付けは不要と書かれていますが、アプリを入れて終わり、ではないです。

機能面では、画風が6種類(ペン画・ファッションスケッチ・水彩・ピクセルアート・漫画・墨絵)用意されていて、参照写真から家族やペットを登場人物として登録できること、天気・ニュース・未読メールの要約といったウィジェットを配置できることがREADMEに挙がっています。

マスターの一言

私はまだ作っていません。ハードを買う前に、まず手元のPCでサーバーだけ動かして、出てくる絵が家族に伝わる出来なのかを見てから決めるつもりです。

おもしろいのは技術そのものより、AIの出力を通知ではなく「静かな絵」として置いたという置き場所の設計のほうだと思っています。そこだけなら、電子ペーパーがなくても真似できます。