何が起きたか
OpenAIが8月6日、ChatGPTが世界のどこで何に使われているのか、国別のデータを初めて公開したと発表した。「OpenAI Signals」というページで、図を見ることも、元データをダウンロードすることもできる。
対象は ChatGPT の Free / Go / Plus / Pro、つまり個人が自分で使っているアカウントのメッセージ。会社が管理する法人プランやCodexは含まれない。サンプル期間は2024年7月から2026年6月まで。
発表が挙げているポイントは4つ。
- 仕事では「やらせる」使い方が2倍以上。文章を書く、コードを書く、分析する、といった「何かを作らせる・作業させる」使い方は、仕事以外の場面と比べて2倍以上多い。仕事以外では「聞く(情報や説明を求める)」が今も最大のカテゴリ
- 使う国の偏りが減ってきた。ラテンアメリカ・アフリカ・オセアニアが先行国を追い上げている。2026年の1〜3月から4〜6月にかけて順位を最も上げたのはペルー・ウルグアイ・コスタリカ
- 画像や動画まわりの用途が一番伸びている。世界のメッセージの7.8%を占め、ブラジルやコロンビアでは10通に1通を超える。2026年4月の ChatGPT Images 2.0 以降、この比率が上がり続けている
- 35歳以上の利用がほぼ全ての国で増えている。メッセージに占める割合が1年前より5%高くなった。フランスとチェコでは10ポイント以上増えた
用途の上位そのものは、実用的なアドバイス・文章作成・調べもの。画像動画はまだそれに次ぐ位置だと書かれている。
生活で何が変わるか
明日から何かの機能が使える、という話ではない。それでも、これから始める人にとって効く数字がひとつある。
35歳以上の利用が、ほぼ全ての国で増えているというところだ。
AIの話題は、どうしても「もう遅い」「若い人はとっくに使いこなしている」という圧とセットで流れてくる。ただ、公開された数字で伸びているのは上の世代のほうだ。ヨーロッパでは約4分の3の国が平均以上の伸びだった。データが直接示しているのは「35歳以上のシェアが増えた」という事実だけだが、少なくとも「同世代はもう誰も始めていない」という話ではないと思う。
もうひとつ、使い方の内訳が参考になる。
仕事の場面では「作らせる」が多く、それ以外では「聞く」が多い。裏を返すと、多くの人は仕事以外ではまだChatGPTを"検索の代わり"として使っている、ということでもある。献立を考えてもらう、学校からのプリントを要約させる、フリマの商品説明を書かせる——このあたりは「作らせる」側で、まだ伸びしろが大きい領域だと読める。
数字の出どころには注意しておきたい。これはOpenAI自身が自社サービスのログを分類して出したデータだ。第三者の調査ではないし、年齢は自己申告した人だけの集計だと本文に明記されている。「世の中全体の実態」ではなく「ChatGPTの中で起きていること」として読むのが妥当だと思う。
マスターの一言
「聞く」から「やらせる」へ、という流れは体感としては分かる。使い始めた頃は調べものの相手にしていて、答えを読んで終わりだった。面倒な作業を丸ごと渡すようになってからのほうが、手応えは大きい。
ただし、この記事の数字自体は自分で検証したものではない。OpenAIが自社サービスのログを分類して出した公開データを読んで紹介している、という前提で受け取ってほしい。
出典: How the world is putting ChatGPT to work(OpenAI公式・2026年8月6日) / OpenAI Signals(データ本体)
