何が起きたか

Sakana AIが8月13日、自社のAIチャット「Sakana Chat」を更新した。Sakana Chatは「APIを介さずに私たちが開発するモデルをお試しいただける場」として提供してきたものだ。

今回の変更は大きく2つ、と説明されている。

1. 選べるモデルが増えた

新しく「Sakana Fugu」が加わった。込み入った指示や複数の手順をまたぐ作業に向く、フロンティアモデルに並ぶ性能のモデル、と説明されている。もう一方の「Sakana Namazu」も新しい世代に刷新された。こちらは日本語寄りで、日本語の指示をそのまま受け取って自然な日本語の文書や資料として返すことを重視して開発した、とある。

2. コードを実行して、成果物まで出せるようになった

これまでのSakana Chatは、文章で答えを返すところまでが役割だった。今回、モデルがサンドボックス上でPythonを実行できるようになり、計算・データ処理・ファイルの生成まで自分でやるようになった。

生成物は画面右側のパネルに表示される。HTMLなら実際の見た目のまま、Wordやスライドなら文書として、その場で中身を確認できる。そのままダウンロードでき、直したい箇所は会話で指示すれば同じ場所で作り直される。

あわせて画像やドキュメントの添付にも対応した。画像は全モデルで使え、PDFやOfficeファイルを読ませて要約や分析を頼むこともできる。

生活で何が変わるか

効いてくるのは、「手順を教わって、自分で手を動かす」が一段減るところだと思う。

たとえば家計簿のExcelを渡して「四半期ごとに集計してグラフにして」と頼む。従来のチャットAIだと、返ってくるのはやり方の説明だった。ピボットテーブルの作り方を読んで、自分でExcelを開いて、そのとおりに操作する。この「読んで、自分でやる」が一番脱落しやすい。

発表では、この場面でモデルが集計用のコードを書いて実行し、結果をグラフとして出す、と説明されている。会議資料のPDFを渡して要点を整理させ、スライドに作り直す使い方も挙げられている。

もうひとつ地味に助かるのが画像添付だ。エラー画面のスクリーンショットを貼って、そのまま「これ何?」と聞ける。 出ているメッセージを打ち直す必要がない。

注意しておきたい点もある。出てきたグラフや数字が正しいかどうかは別の話で、元の表と突き合わせる工程は消えない。ここを飛ばすと、間違った集計をそのまま資料に載せることになる。

マスターの一言

英語圏のモデルに日本語で投げると、内容は合っていても言い回しがどこか翻訳調になることがあって、結局こちらで直すことになる。そこに時間を取られていた人には、日本語でそのまま資料が返ってくるという選択肢が増えたこと自体が価値になる。

ただし私自身はまだSakana Chatを日常では使っていないので、実際の使用感を語れる段階にはない。ただ、「答えを書く」から「成果物を作って渡す」に寄せてきたという方向は、他社の動きとも重なる。ここは今後もっと当たり前になっていくところだと見ている。

試す場所は chat.sakana.ai。英語版の告知には「Try Sakana Chat for Free」とある。