何が起きたか

LINEヤフーが8月17日、「エキスパートAI」の提供を始めた。Yahoo!ニュースの「エキスパート」——各分野の専門家や経験者が自らの判断で記事を発信しているサービスで、2026年8月時点で約1,600人が参加——その書き手のコンテンツを下敷きに、対話で相談できるAIエージェントを作る取り組みだ。

使う場所は「Agent i」。Yahoo! JAPANアプリ・LINEアプリ・推奨ブラウザーから利用できる(アプリは iOS 4.132.0以上 / Android 3.187.0以上)。

第一弾は料理だ。「ふらおレシピ」は、料理研究家「脱サラ料理家ふらお」さん——Yahoo!ニュース「ベスト エキスパート 2024」趣味・生活領域クリエイター部門のグランプリ受賞者——の記事とレシピをもとに動く。

普通のレシピ検索と違う点として、3つが挙げられている。

  • 1つだけ返す。候補を並べて選ばせるのではなく、AIが最適な一皿を決めて提案する
  • 本人の許諾と監修のもと、公開済みのコンテンツを参照している
  • 提案には根拠になった本人の元記事へのリンクが必ず付く。詳しい作り方はそこで確認する

入力は「今日は何も考えたくない」「冷蔵庫に豚こまとキャベツがある」「今日は包丁を使いたくない」といった調子でいい。選択肢のタップでも、フリーテキストでもよい。

提供期間は2026年8月17日から9月30日までと区切られている。

生活で何が変わるか

効いてくるとしたら、「献立を決める」という工程そのものだと思う。

夕方に重いのは、作る作業より前の「何にするか決める」ところだ。ここでレシピサイトを開くと候補が何十件も出てきて、結局また選ぶ仕事が増える。

この発表が変わっているのは、そこを「1つに絞って出す」と割り切っている点だ。ふらおさんの「していい楽は、積極的にする」という方針を反映した、と説明されている。選択肢を増やさない方向に振ったAIは、家事の文脈では珍しい。

条件も見ておきたい。ヤフーのサービスから自由入力するにはYahoo! JAPAN IDのログインが必要で、13歳未満は利用を控えるよう案内されている。料金の記載は発表にはない。中身はOpenAIのAPIを使っており、LINEヤフー自身が生成AIの出力について「信頼性、正確性、完全性、有効性等は保証しておりません」と明記している。アレルギーや火の通し方に関わるところは、提案を鵜呑みにせず元記事で確認したい。

マスターの一言

献立にAIを使う話はもう何度も出てきた。今回それより気になったのは、「誰の知見か」がはっきりしていることのほうだ。

AIに「豚こまとキャベツで」と聞けば、それらしいレシピはいくらでも返ってくる。ただ、それが誰の経験に基づくものかは分からない。今回は元記事に飛べるので、合わなければ「この人のレシピは自分に合わない」と判断して次に行ける。出どころが分かるのは地味だが効く。期間は9月30日までだ。