何が起きたか

OpenAIの公式リリースノートに、ブラウザ「Atlas」の提供を終了するという告知が載っています(2026年7月9日付)。

書かれている中身はシンプルです。

1. 停止日は2026年8月9日

発表文には「Atlasは2026年8月9日に動作を停止する予定」とあります。その日以降は、起動・ブラウジング・ブラウザ上での自動作業ができなくなる可能性があると書かれています。

2. ブラウザのデータは自動では移らない

ここが一番大事なところです。案内には、ブックマーク・開いているタブ・閲覧履歴は自動的には引き継がれないとはっきり書かれています。

  • ブックマーク: Atlasのブックマーク管理画面からHTMLファイルとして書き出し、Chromeなど別のブラウザに読み込む(Chromeなら「ブックマークと設定をインポート」から読み込めると案内されています)
  • 開いているタブ: 自動では移らないので、必要なページはブックマークするか、URLをメモに貼っておく
  • 閲覧履歴: これも自動では移らない。あとで必要になりそうなページは先に保存しておく
  • Cookie(ログイン状態のデータ)とパスワード: リリースノートには、CookieとパスワードはChatGPTデスクトップアプリへ書き出せると書かれています(ヘルプ側では、Cookieは書き出しの手段が用意される場合がある、という書き方です)。あわせて、Cookieやセッションのファイルはむやみに他人に渡さないようにという注意も添えられています

3. ChatGPTの会話履歴は別扱い

「ブラウザが終わると、ChatGPTとのやりとりも消えるのでは」と思うところですが、会話履歴はブラウザのデータとは別で、これまで通りChatGPT側に残ると書かれています(プランやワークスペースの設定、アカウントの状態による、という条件つきです)。

4. 終了の理由と移行先

理由は「ブラウザ上での自動作業の機能を、ChatGPTとCodexの側に寄せていくため」と説明されています。Atlasで得たものを土台に、ChatGPT側のブラウザ機能を強くしていく(複数タブ、ダウンロード、操作性の改善、対応する場面でのログイン対応など)という書き方です。移行先としては、ChatGPTデスクトップアプリと、提供のある地域ではChrome用の拡張機能やサイドバーが挙げられています。

生活で何が変わるか

まず、Atlasを使っていなかった方は今回は何もしなくて大丈夫です。ここで慌てて新しいものを入れる必要はありません。

使っていた方だけ、やることがあります。しかも期限が数日先です。順番はこれだけです。

  1. Atlasを開いて、ブックマークをHTMLで書き出す
  2. 書き出したファイルをChrome(でも他のブラウザでも)に読み込む
  3. 開きっぱなしのタブを見て、あとで見たいものだけURLをメモに貼る

3番目を最後に回さないほうがいいと思います。ブックマークは「残そう」と意識して付けたものですが、開きっぱなしのタブと履歴は「そのうち読む」「たしかあのページに書いてあった」の置き場所になっていることが多く、消えたあとで探し直すのが一番やっかいです。学校のプリントのPDF、保険や役所の手続きページ、買おうか迷っている商品のページ——このあたりは、思い出せないと地味に時間を持っていかれます。

もうひとつ、Cookieの話だけ補足します。Cookieやセッションのファイルは、中身としては「ログイン済みの状態そのもの」に近いものです。発表文がわざわざ注意を書いているのはそのためで、書き出したファイルをメールやチャットで気軽に送るようなことはしないほうが安全です。移行のために自分の端末の中で扱うぶんには問題ありません。

マスターの一言

サービス終了の告知でいつも思うのは、困るのは機能そのものより「置きっぱなしにしていたもの」のほうだということです。代わりのブラウザは選べばいい。でも、半年前に開いたまま忘れていたタブは、消えたら二度と思い出せません。

なので、こういう告知が来たときは「移行先をどれにするか」を考える前に、先に書き出しだけ済ませてしまうほうがいいと思っています。書き出しは手順どおりに進めるだけですが、移行先選びは考え出すと止まりません。期限が切られているのは前者だけなので、順番を逆にしないほうが安全です。

なお今回の告知は7月9日付のもので、日付だけが今週に迫っている、という状態です。使っていた記憶がある方は、一度Atlasを開いてみてください。

出典: ChatGPT — Release Notes「Retiring Atlas」(OpenAI公式・2026年7月9日)Evolving Atlas into ChatGPT for browser-based agentic work(OpenAI ヘルプセンター)