何が起きたか
ChatGPT には、言葉で頼むとサイトや簡単なアプリを作ってくれる「ChatGPT Sites」があります(7月9日から公開ベータ)。AIde Guild でも7月12日に紹介しました。
その利用規約と公式ヘルプが、その後に書き換わっていました。規約のページには2026年7月23日更新と表示されています。過去版と突き合わせたので、変わった点を書きます。
いちばん大きいのは、サイトで物を売る道が規約に加わったことです。7月9日時点の規約は、送金・暗号資産の送付・その他の金融や投資の取引を、例外なく禁止していました。現在は同じ禁止条項に例外がつき、第三者の決済サービスを通す販売だけは認められています。あわせて E-Commerce という条項が新しく増えました。7月8日版・7月9日版のどちらにも、この条項はありません。
新設された条項が並べているのは、こちらの責任です。物やサービスを売るなら、発送、返金、問い合わせ対応、売ったものへの保証やクレームは自分が負う。税金と手数料の計算・徴収・納付も自分。マネーロンダリング防止・輸出管理・制裁に関する法律を守るのも自分。決済サービスの実装・設定・保守も自分で、そこで処理された支払いに OpenAI は責任を負わない、と書かれています。
作り方を説明するヘルプも、いまは同じ内容に揃っています。ただし規約が更新された7月23日の後、7月25日の時点ではまだ禁止事項に金銭取引が並んでいました。現在はそれが消えて、第三者決済なら売ってよいという段落に置き換わっています。
ひとつ、追いついていないページがあります。責任を説明するヘルプの禁止リストには、例外の付かない古い書き方が7月10日版のまま残っています。規約のほうで決着はついているので矛盾ではありませんが、このページだけ読むと売れないと受け取ってしまいます。
対象プランの書き方も変わりました。7月版は、Free と Go を除く有料プランが対象で、Pro・Pro Lite・Enterprise・Edu が先行し、Plus と Business が数日中に続く、という説明でした。現在は、ChatGPT のワークスペースと Plus、Pro アカウントで公開ベータ、となっています。
変わっていない条件も書いておきます。Free と Go では使えません。EEA・スイス・英国はローンチ時点で対象外です(日本はこの3つに入っていません)。健康情報は扱えず、13歳未満(またはその国の同意年齢未満)に向けたサイトも作れません。訪問者の個人情報を集めるとサイトを作った人がデータ管理者になる、という規定も7月からあります。カード情報を扱えない点も残っていますが、第三者の決済サービスだけが収集・処理し OpenAI が扱わない場合は除く、という但し書きが新しく付きました。
生活で何が変わるか
「作れる」と「店を出す」の間には、けっこう距離があります。
サイトを形にするところまでは、頼めば AI がやってくれます。でも売る側になった瞬間に出てくるのは、発送、返金、問い合わせ、税金——AI が代わってくれない仕事のほうです。規約が売ってよいと書くのと同時に責任を長く並べたのは、そこが実際に問題になるからだと思います。
もうひとつ、日本の話は規約にもヘルプにも書かれていません。出てくるのは GDPR や米国の法律で、日本の個人情報保護法や特定商取引法、確定申告がどう絡むかは範囲外です。売る形にするなら、そこは自分で調べる前提になります。
小さく試すなら、まず個人情報を集めないページからが無難だと思います。問い合わせフォームや書き込み欄を置いた瞬間に、守るべきものが増えます。
マスターの一言
正直に言うと、私はまだ Sites を触れていません。7月に紹介したときも触っておらず、今回も規約とヘルプを読んで過去版と突き合わせただけです。なので使い勝手は分かりません。
無料プランでは使えない機能なので、うちのように普段は安いプランでやりくりしている人がすぐ手を出すものではない、という7月の見方は変えていません。変わったのは、公開して終わりではなく、売るところまで想定した責任が規約に並んだことです。触るときは作り方より先に、この責任の条文から読もうと思います。
