何が起きたか
Googleが9月2日(米国時間)、Gemini 3.8 Flash と 3.8 Flash Cyber を発表した。書き出しによれば3週間前の3.7 Flashに続くもので、6週間で3回目のFlashにあたる。
個人に関係するのは提供先の一覧だ。Google AI Pro と Ultra の加入者が、Geminiアプリ・Google検索のAIモード・Googleスプレッドシートの Gemini で3.8 Flashを使える、と書かれている。もう一方の 3.8 Flash Cyber は脆弱性の発見と修正に特化したモデルで、Fairwind Program という枠組みで、信頼できる政府機関・重要インフラの運用者・ソフトウェアの保守者に優先的なアクセスを提供するとある。申し込み制だ。
料金は3.7 Flashと同じ導入価格で、100万トークンあたり入力0.75ドル・出力3.75ドル。ただし脚注に期限がある。導入価格は2026年12月31日で終わり、2027年1月1日からは入力1.50ドル・出力7.50ドル、つまり2倍になると書かれている。
前回との違いは、プランではなく入口
8月13日の3.7 Flashにも同じ提供先の一覧があった。あちらの個人向けの行は、Pro と Ultra の加入者が使うエージェント Spark 経由、の一行だけだった。プランの条件は今回と同じで、増えたのは入口の数だ。Spark という別タブの中だけだったものが、Geminiアプリの本体・検索のAIモード・スプレッドシートの3つになった。
公式Xの @GeminiApp も同日、Pro と Ultra 向けに本日から提供と投稿している。より確かで網羅的な回答になり、日常的な話題への実行に移せる助言や、文章の分析のような掘り下げた作業に向く、という説明だ。
ひとつ補足しておく。9月3日時点で、モデル選択の公式ヘルプに並ぶのは Flash-Lite・Flash・Pro の3つのままで、Geminiアプリのリリースノートの最新も2026.08.19のまま、無料プランについても発表の提供先一覧には出てこない。
生活で何が変わるか
Pro か Ultra に入っているなら、Geminiアプリでいつも開いている場所と、検索のAIモードが対象に入った。前回のように別タブを開かなくてよくなった、というのが今回の実質だ。
そのうえで、今日いちばん手帳に書く価値があるのは番号ではなく来年の値段だと思う。1月1日から単価が2倍になるということは、このモデルを裏で使っている他社のサービスの原価もそこで上がる。月額いくらのAIサービスを使っているなら、年明けに料金や上限の見直しが来ても不思議ではない。発表の本文ではなく脚注に置かれた数字なので、そこだけ抜き出しておく価値がある。
もうひとつ、発表文には正直な但し書きがあった。3.8 Flashは複雑な作業ほど推論の手順を増やし、道具を何度も呼ぶ設計で、力の入れ具合を上げるとトークンを多く使うことがある、という。計算効率が最優先の用途なら、開発者は力の入れ具合を下げるか3.7 Flashを使い続けられる(今後も完全にサポートされる)とも添えてある。速さより粘り強さに寄せた、という自己申告だ。
マスターの一言
3週間ごとに番号が上がるので、名前を覚える意味はほとんど無いと思っている。今回効いたのは番号ではなく2つで、入口が Spark だけから3つに増えたことと、脚注の2027年1月1日だ。
前回は Spark を使っている人だけが対象で終わったが、今回は Pro に入っていれば普段の画面が対象に入る。そのうえで先に備えるとしたら、モデル名の暗記より年明けの値上げのほうだと思う。
出典: Introducing Gemini 3.8 Flash and 3.8 Flash Cyber(Google・2026年9月2日)
