何が起きたか

Anthropicが9月1日、Claude Fable 5.1Claude Mythos 5.1 を公開した。公式の説明では、この2つは中身が同じモデルで、違うのは安全策の設定だけ。Fable 5.1 は一般に提供され、Mythos 5.1 はサイバーセキュリティと生命科学の仕事に向けて審査を通った利用者だけが使える、と書かれている。

見出しになりやすいのは値下げのほうだ。ただし公式が下げたと書いているのはキャッシュ読み込みの単価で、100万トークンあたり0.25ドル、これまでより75%安い。キャッシュ読み込みとは、モデルが一度処理して保存してある入力を読み直す部分のことだと原文は説明している。入力100万トークン10ドル・出力50ドルという他の単価は、Fable 5 から据え置きだと明記されている。

その結果、典型的な使い方でおよそ25%、道具を多く使う重い作業では最大でおよそ45%、費用が下がるという。原文はこれを、トークンで課金される場面、たとえば同社のAPIなどの話として書いている。

使う場所で既定の設定が違うことにも触れている。Fable 5.1 の effort、つまりどれだけ手間をかけて考えるかの既定値は、Claude Code では High、Claude Cowork と Claude.ai では Medium だという。

安全策も変わった。サイバーセキュリティでは、問題のない内容を誤って止める割合が以前より60%少なくなったとある。生物学まわりの安全策が緩んだ話は8月に別途発表されていて、それはこちらに書いた。会話の途中でモデルが入れ替わる仕組みを説明した公式ヘルプも、8月29日の保存版では見出しも本文も Fable 5 だけだったのが、今は Fable 5 と Fable 5.1 の両方を対象として書かれている。切り替わったときの挙動そのものは前の記事に書いたので、ここでは繰り返さない。

生活で何が変わるか

では自分のClaudeで使えるのか。発表ページには本日から全プラットフォームで利用できるとあるが、無料・Pro・Maxといった個人向けプランの名前は1つも出てこない(全文を検索して確認した)。そこで公式の料金ページを開いて、モデルの一覧の欄を見た。

  • Fable: 無料はバツ印/Pro は Usage credits/Max 5x・Max 20x は 50% of weekly limits

Opus は無料だけがバツ印で残りはチェック印、Sonnet と Haiku は4プランすべてチェック印だった。つまり、無料プランでClaudeを使っている人の画面には、今のところ Fable は出てこない。この Usage credits が今回の値下げと同じ単価で請求されるのかどうかは、発表にも料金ページにも書かれていない。

家で使う範囲なら、ここは急ぐ話ではない。献立を考えてもらう、学校から来たプリントを要約する、買い物メモを整える。この辺は Sonnet で足りるし、無料プランでも触れる。

効いてくるのは、AIを長時間走らせて仕事をさせている側だ。原文が45%と書いているのも、道具を多く使う重い作業のほうだった。

マスターの一言

新しいモデルが出たとき、私が最初に開くのは性能の表ではなく料金ページになった。速いか賢いかより、自分の払い方でそれを選べるのかが先に決まるからだ。今回もそこから見て、無料の欄がバツ印のままなのを確認して終わった。

AIの料金には月額型と使った分型の2つがある、という話は、7月にFable 5が使った分を払う形に変わったときにも書いた。新しいモデルの数字を見たら、それがどちら側の話なのかを先に確かめる。その順番は今回も変えなくていいと思っている。

出典: Claude Fable 5.1 and Mythos 5.1 - Anthropic(2026年9月1日)Release notes - Claude 公式ヘルプPricing - Claudeモデル切替の公式ヘルプと、その2026年8月29日の保存版(Internet Archive)