何が起きたか
OpenAIが8月31日、ChatGPTの広告について公式サイトで新しい発表を出した。発表文は、公開から200日足らずで、ChatGPT Adsの売上が、このペースで1年続いた場合に換算して10億ドルに達したと書いている。広告を出している事業者は数万社にのぼるという。なお、こちらで以前書いた米国でのテスト開始の2月9日から数えると203日で、発表文が何を起点にしたのかは書かれていない。
そのあとに、広告の位置づけがはっきり書かれている。広告はOpenAIのビジネスの柱のひとつで、広告つきの無料プランが、週に10億人を超える利用者にChatGPTを届け続けることを支えている、という説明だ。今回発表された中身そのものは、出す側の話だった。この日の後半から、インド・ヨーロッパ・中東・北アフリカで、広告主がAds Managerから直接ChatGPTの広告を買えるようになる、とされている。Ads Managerは5月に登場した管理画面で、営業担当を通さず事業者が自分で申し込んで広告を出せる。これによって中小の事業者にも門戸が開き、いまでは事業のなかで相応の割合を占めるようになった、と書かれている。
広告そのものの約束は変わっていない。広告にはスポンサーだと分かる表示がつき、回答とは分けて表示される。広告が回答の中身を変えることはなく、広告主が個人の会話を見ることもない。この線引きは8月12日に書いた記事の時点と同じだ。
対応国の表を数えてみた
発表文は、広告はすでに40カ国以上で提供されていると書き、その根拠としてヘルプセンターの対応国の表にリンクしている。開いて数えてみた。
いま載っているのは41行で、内訳は提供中が9、近日提供が32だった。前にこの表を数えた8月25日の記事のときから、インドが近日提供として1行増えている。Internet Archiveに残る8月27日の保存版を開くと、そちらはまだ40行で、インドの行は無かった。ページの更新表示は3 days agoになっている。
近日提供の32のうち31はヨーロッパの国で、残る1つがインドだった。表の上の説明文はヨーロッパの31カ国のことしか書いておらず、あとから増えたインドには触れていない。
もうひとつある。今回、自分で申し込めるようになると発表された地域のうち、中東と北アフリカの国は、表に1行も載っていない。インドとヨーロッパの国は載っているが、どれもまだ近日提供のままだ。発表文はこの日の後半からという書き方なので、表が追いついていないだけかもしれない。表の下には、自分の国が近日提供になっている場合や、そもそも載っていない場合は、まだ自分では申し込めないと書かれている。
提供中の9カ国は、8月27日の保存版から顔ぶれも数も変わっていない。日本もそのまま提供中だった。
生活で何が変わるか
見る側にとっては、今日いきなり画面が変わる話ではない。ただ、広告がテストではなく事業として立ち上がったこと、そして無料で使える範囲を支えているのが広告だとOpenAI自身が書いたことは、知っておいていいと思う。この先、広告が減っていく方向の話ではなさそうだ、ということでもある。広告の出方や、自分の使い方に合わせて広告の中身が変わる仕組みをどこまで自分で止められるかは、8月12日の記事のほうにまとめてある。
小さく商売をしている人にとっては、今回の拡大は日本には関係がない。日本はもう提供中の側にいるので、待つ必要はない。逆に、海外の事業者に聞かれたときは、発表文ではなく表を見て答えるのが確実だと思う。
マスターの一言
数字の大きさより、広告つきの無料プランという言い方が公式に出てきたことのほうが印象に残った。うちは献立の相談や、学校のプリントを読ませるのにChatGPTを使っているけれど、その無料の部分が何で支えられているのかが、はっきり書かれたということだと思う。
自分ではまだChatGPTに広告を出したことはない。今回やったのは、表を数えて日本が提供中だと確かめたところまでだ。実際に出してみることがあれば、そのときにまた書く。
出典: A milestone in expanding access to AI(OpenAI公式・2026年8月31日) / Ads Manager Availability(OpenAIヘルプセンター)
