何が起きたか
OpenAIが8月18日、ChatGPTの広告をヨーロッパの31カ国に広げると公式サイトで発表した。名前が挙がっているのはドイツ・フランス・スペイン・イタリア・スウェーデン・ノルウェー・デンマーク・オランダ・オーストリアなど。開始時期は、発表文では翌週とされている。2月にアメリカでテストを始めてから半年で8つの市場が加わっており、今回の31カ国はこれまでで最大の拡大だと書かれている。
ただし、ヨーロッパの事業者がすぐ自分で広告を出せるようになるわけではない。当初の出稿はOpenAIの広告担当チーム・代理店パートナー・技術パートナー経由で、自分で操作するセルフサービスの管理画面(Ads Manager)はこの夏の後半に続く、とされている。
日本の私たちに直接関係するのは、そのあとに書かれているプランの話のほうだ。広告が表示されるのは無料プランとGoプランのユーザーだけで、Plus・Pro・Enterpriseは広告なしのまま、と発表文にある。ヘルプセンターのFAQにはもう少し細かく載っていて、対象外はPlus・Pro・Business・Enterprise・Eduの5つ、さらに18歳未満に属すると判定されたアカウントにも広告は出さない、と書かれている。
この「広告を出せる国」の一覧は、ヘルプセンターに表として出ている。表記は英語で、Available(提供中)とComing Soon(近日提供)の2種類。今の中身を数えると、提供中が9カ国(オーストラリア・ブラジル・カナダ・日本・韓国・メキシコ・ニュージーランド・イギリス・アメリカ)、近日提供が31カ国(EU加盟27カ国に、アイスランド・リヒテンシュタイン・ノルウェー・スイスを足したもの)だった。発表文の31カ国と数が合う。イギリスは近日提供ではなく、提供中の側に残っている。
この表の過去版を4つ並べてみた。ページの最終更新時刻で見ると、7月16日版と7月31日版はどちらも7カ国、8月13日版は9カ国(ブラジルとメキシコが増えている)で、いずれも近日提供の行は1つも無い。31カ国が近日提供として入ったのは、8月23日の更新からだった。表の説明文には前から近日提供の国も示すと書かれていたが、中身は空のままだった。
そして日本は、少なくとも7月16日版の時点から提供中に入っている。
生活で何が変わるか
日本にいる私たちにとって新しいのは、ヨーロッパの話そのものより、この表から分かることのほうだと思う。
ひとつは、日本はもう広告が出る国であると同時に、広告を出せる国でもある、ということ。ChatGPTに広告が出るようになった件は8月12日に書いたけれど、あれは見る側の話だった。出す側は、日本ではセルフサービスの管理画面がすでに使える状態になっている。小さく商売をしている人には、広告の出し先の選択肢がひとつ増えたことになる。ただし申し込めば誰でも通るわけではない。広告ポリシーには、申し込み時に本物の事業者かどうかを審査し、事業者確認を行う場合もあると書かれている。
もうひとつは、広告が出るかどうかの線引きがはっきりしていること。無料とGoには出て、Plusから上には出ない。うちは献立の相談や学校のプリントの読み取りでChatGPTを使うことが多いけれど、そこで広告が気になるかどうかは、結局どのプラン次第ということになる。広告を消したいだけで上のプランに移るかは、料金と見比べて決める話だと思う。
マスターの一言
正直に言うと、この記事のきっかけはヨーロッパの発表そのものではなく、広告を出せる国の表が更新されていたことだった。過去版と並べるまで、日本がずっと前から提供中に入っていたことに気づいていなかった。
自分ではまだChatGPTに広告を出したことはない。今回確かめたのは提供中と書かれているところまでで、実際にいくらかかるのか、出してどうなるのかは分かっていない。試すことがあれば、そのときにまた書こうと思う。
出典: ChatGPT Ads expands across Europe(OpenAI公式・2026年8月18日) / Ads Manager Availability(OpenAIヘルプセンター) / Ads in ChatGPT(OpenAIヘルプセンター) / 広告ポリシー(OpenAI公式)
