何が起きたか

Googleが9月4日(米国時間)、Google翻訳の「ライブ翻訳」に2つの更新を入れたと発表した。ライブ翻訳は相手の話をほぼリアルタイムで訳して聞かせる機能で、70以上の言語に対応している(→既報)。

1つ目はAndroid向けで、ライブ翻訳をバックグラウンドで続けられるようになった。アプリを切り替えても、最小化しても、画面をロックしても、翻訳のセッションが途切れない。発表はこの変更の背景として、ライブ翻訳を使った時間のうち3分の1以上が5分を超えている、という数字を挙げている。iPhone・iPadへの対応は「近日中」とされている。

2つ目はiPhone・iPad向けで、こちらは世界中で使えるようになった。イヤホンが手元に無くても、スマホを耳に当てれば受話口から訳が聞ける。Androidでは以前から使えていた形で、既報でもAndroidの「リスニングモード」として触れている。今回はそれがiPhone側に来たという話だ。

ヘルプページで確かめた

日本語のヘルプページも見た。同じページがパソコン用・Android用・iPhone / iPad用の3つのタブに分かれているので、スマホ側の2つを開いて中身を突き合わせた。

バックグラウンドで続く、という説明が書かれていたのはAndroid側のタブだけだった。「アプリを切り替えたり、アプリを最小化したり、画面がロックされたりしても、翻訳セッションはシームレスに継続されます」とある。iPhone・iPad側の同じ位置にこの記述は無く、発表の「iOSは近日中」と一致している。

ただし、iPhone・iPad側のタブにだけ残っている注記もあった。「ヘッドフォンが接続されていない場合、[リスニング] オプションはグレー表示になります」というものだ。同じページの冒頭には「iPhone または iPad で、ヘッドフォンを装着してもしなくてもライブ翻訳をご利用いただけるようになりました」とも書かれていて、こちらは今回の発表と合っている。どちらが今の実際の挙動なのかは、ヘルプの記述だけでは決められなかった。ここは確認できなかった点として、そのまま残しておく。

生活で何が変わるか

効いてくるのは、長く聞き続ける場面だと思う。

Androidのバックグラウンド継続は、翻訳を流しながら別のことをする人向けの変更だ。海外のツアーで説明を聞きながら地図を開く、空港のアナウンスを訳させながら搭乗券の画面を出す、といった動きが、翻訳を止めずにできるようになる。画面を消してポケットに入れておけるのも、5分を超えるような場面では現実的な差になる。

iPhone側のイヤホン不要のほうは、持ち物が減るのが大きい。イヤホンを忘れた日や、片方だけ充電が切れていた日でも、電話をかけるときと同じ持ち方をすれば訳が耳に届く。周りがうるさい場所でスピーカーから流しても聞き取れない、という場面の逃げ道にもなる。

どちらも、新しいアプリを入れる話ではない。すでにスマホに入っているGoogle翻訳を最新版にしておけばいい、という範囲の更新だ。

マスターの一言

今回の2点は、機能が増えたというより、翻訳を出しっぱなしにできる時間が延びた話だと思う。画面を触っている間しか訳が続かないなら、結局スマホを見張ることになる。バックグラウンドで続くかどうかは、その見張りが要るか要らないかの差になる。

ただし、その差が今日から効くのはAndroid側だけだ。iPhone・iPadは近日中とされているが、いつなのかは書かれていない。しかもヘルプにはグレー表示の注記が残ったままなので、iPhoneでリスニングが選べなかったときに、それが今の仕様なのか自分の環境の問題なのかは、今の記述だけでは切り分けられない。ここを先に知っておくと、設定をいじり回さずに済む。