何が起きたか

Google DeepMind と Google Research が9月3日(米国時間)、天気を予測するAIモデル WeatherNext 3 を発表した。今回いちばん大きいのは、同じ日から検索・Geminiアプリ・Googleマップ・Maps Platform の天気API・Earth Engine で使われはじめると書かれていることだ。研究の発表であると同時に、製品に入る発表になっている。

原文で挙げられている変化はこのあたり。

  • 1時間ごとに新しい予報を出す。静止気象衛星の生データを直接取り込んで学習する作りで、これまでのように6時間遅れの物理シミュレーションの出力を待たない
  • 細かさが上がった。細かさは変数によって3段階に分かれる。いちばん細かい5kmに入るのが気温と湿度で、地表のそれ以外は10km、上空の風速などは25kmになる。前の WeatherNext 2 は全体が25kmのマス目で6時間刻みだったので、およそ5倍細かいという書き方をしている
  • 降水の予報が良くなった。1日以上先を見て予定を立てるとき、降水の予報が最大50%正確になるとある。もともと予報が当たりにくかった地域ほど改善が大きい、とも書かれている

精度そのものについては、Brightband という第三者による公開の評価で最も正確だ、というのがGoogleの説明のしかたで、リンク先の順位表も示されている。

そのうえで公式は、記事の最後に注意書きを置いている。正式な予報・警報・避難情報については、住んでいる国の気象機関を見ること。日本なら気象庁と自治体になる。

生活で何が変わるか

前に WeatherNext を扱ったときは、熱帯低気圧の予測が1日分前に出たという論文の話で、あのときは自分のスマホの天気が変わる話ではないと書いた。今回はそこが逆で、検索とマップとGeminiに入る側の発表になっている。

効くのは、当日の空模様ではなく少し先の予定を決めるときだ。土曜に出かけるか日曜にするか。運動会の前日に洗濯を回すか。布団を干す日を今週のどこに置くか。だいたい人が悩むのは1日から数日先で、公式が良くなったと書いているのもちょうどその範囲になる。

期待の置きどころだけ正直に書いておく。最大50%というのは条件つきで、どの地域でどれだけ良くなるかまでは発表に書かれていない。日本の数字も出ていない。傘を持つかどうかの判断が今日から劇的に変わる、という読み方はしないほうがいい。

マスターの一言

天気アプリを開いて降水確率40%と出ても、傘を持つかは結局その40%をどれだけ信じるかで決まる。今回変わったのは画面の見た目ではなく、その数字の作りかたのほうだ。使う側の操作は何も増えないし、何かに申し込む必要もない。

うちで変えるとしたら、週末の予定を決める曜日を少し前にずらすくらいだと思う。以前は前日にならないと当てにならないと思って粘っていたが、良くなったと言われているのは数日先のほうなので、そこを見て決める。外れたらそのときは、気象庁のページも開けばいい。


出典: Introducing WeatherNext 3, our most advanced and accurate global weather AI model(Google公式ブログ・2026年9月3日)