何ができるのか
ChatGPTには「信頼できる連絡先」という設定がある。信頼している人を1人だけ登録しておくと、深刻な状況かもしれないとChatGPT側が判断したときに、その人へ様子を見てほしいという短い通知が届く。
断っておくと、これは今週出た新機能ではない。ChatGPTのリリースノートに2026年5月7日の項目として載っている。今回更新されたのはヘルプページのほうなので、いま書かれている条件を数え直す。
流れは4段階だ。
- 設定の Trusted contact から1人を選ぶ。メールアドレスは必須、電話番号は任意だが、ヘルプは両方をすすめている
- 相手に招待が届く。1週間以内に承諾されなければ成立しない。断られたときや期限切れのときは自分に知らせが来るので、別の人を選び直せる
- 自殺について深刻な懸念を示す形で話していないか、と自動の監視が判断すると、訓練を受けた担当者が会話を確認することがある。確認に回る前に、連絡先に通知するかもしれないという知らせが自分に届く。知らせが無ければ人間の確認にも通知にも進んでいない、とある
- 担当者が深刻だと判断したとき、メール・SMS・WhatsApp・アプリ内通知のいずれかで相手に通知が届く
相手に伝わるのは、自殺の話題が懸念のある形で出た、という大まかな理由までで、会話の中身や履歴は共有されない。招待の時点で渡るのは自分の名前とメールアドレスだ。
条件は決まっている。個人アカウント向けで、Business・Enterprise・Edu の共有ワークスペースでは有効にならない。18歳以上で、韓国だけ19歳以上。登録できるのは1アカウントにつき1人まで。18歳未満なら保護者向けの管理機能のほうになる。
そして緊急通報の代わりではないと、ヘルプ自身が繰り返し書いている。相手がすぐ応じられるとは限らないのでこれだけを頼りにせず、危険が差し迫るときは緊急通報や相談窓口へ、とある。
今のところ音声モードでは使えない、と書き足された
今回増えたのは次の一文だ。
Trusted contact is not currently available in ChatGPT Voice.(現時点では ChatGPT Voice では使えない)
過去の版と比べた。Internet Archive に残る8月28日の保存版にこの一文は無く、現在のページには入っている。取得時点の更新表示は3日前、つまり9月3日ごろだ。8月28日版と現行版を突き合わせたところ、本文で増えていたのはこの1行だけだった。
ただしヘルプは、今のところ音声モードでは使えない、と書くだけだ。声で話した内容が監視や通知の対象からも外れるのかは書いていない。
登録手順のページには、もう1つ書き足されている。連絡先が設定されているか、招待が保留のままか、いまの連絡先は誰かは、ChatGPTに聞けば答える。ただし追加・変更・削除は会話の中ではできず、設定画面からしか操作できない。こちらは6月28日の保存版に無かった記述だ。それより後に足されたことは分かるが、9月3日の更新で入ったのかどうかは保存版が残っておらず特定できなかった。
生活で何が変わるか
皿を洗いながらChatGPTに声で話しかけている人には、覚えておく価値のある一行だと思う。その使い方をしている人ほど、この見守りは主な使い方の外にある。
この設定は自分ひとりでは終わらない。相手が承諾して初めて成立するので、先に話を通さないと招待だけ宙に浮く。ヘルプは会話の切り出し方の例文まで載せている。日本から使えるかは分からない。ヘルプは、ほとんどの国と地域、と書くだけで国名の一覧を載せていないので、自分の設定画面に項目が出るかで判断することになる。
マスターの一言
設定の中に、自分ひとりでは終わらない項目があるのは珍しいと思った。登録の前に、相手へ一回話を通す必要がある。そこまで含めてこの機能だと考えている。
うちはまだ登録していない。誰に頼むかを決めかねている。いま苦しい状況にあるなら、厚生労働省の相談窓口のような公的な窓口を頼ってほしい。
出典: Trusted contacts in ChatGPT(OpenAI公式ヘルプ) / Adding and managing a trusted contact(登録手順) / ChatGPT リリースノート(同・5月7日の項目)
